ASBESTOS アスベストとは

アスベスト(石綿)は、耐熱性・耐久性・絶縁性に優れ、かつて建材や断熱材として広く使われていた鉱物繊維です。
住宅やビルの屋根材、外壁材、断熱材、配管の保護材など、さまざまな建築資材に利用されてきました。
しかし、アスベストの微細な繊維を吸い込むと健康被害を引き起こすことが判明しており、肺がんや中皮腫などの原因となることがあります。
そのため、現在では使用が禁止され、既存建材の除去・調査・処理には専門的な技術と安全対策が求められます。
安全な作業手順や法令を遵守した適切な処理を行うことで、建物の解体や改修時のリスクを最小限に抑えることができます。

アスベスト除去までの流れ

事前調査
まず建物内にアスベスト含有建材が使われていないかを確認します。
構造・形状・使用材料・設置時期などを調査し、アスベストの有無・種類・量・状態(劣化の有無)を把握します。
作業計画の作成・届出
調査結果をもとに、除去・封じ込め・囲い込みなど適切な対処法を決め、作業手順・安全対策・近隣対応などを含めた計画書を作成します。
必要に応じて、市町村などへの届出を行います。
現場の準備と養生・湿潤化
作業前に、対象エリアを防じんシートや囲いで養生し、アスベストの飛散を防ぐために湿潤化(散水など)を実施します。
これにより微細な繊維の飛び散りを抑え、安全な作業環境を整えます。
除去・撤去作業

調査で確認された建材に応じた工法で除去を行います。
例として:

〇「除去工法(リムーバル工法)」:アスベスト含有層を下地から完全に剥ぎ取る方法。

〇「封じ込め工法・囲い込み工法」:既存アスベストをそのままにして飛散を防ぐ処理。

廃材・残材の処理
除去後のアスベスト含有廃材は「特別管理産業廃棄物」として扱われ、耐水性の材料で二重梱包・固形化などの適切な処分が求められます。
運搬・処分業者の管理票で最終処分までを確認します。
完了検査・記録の保存
作業後、飛散防止措置の確認や残留アスベストの有無などを検査します。
作業記録を保存して、法令・規制に対応できるようにします。
次の工事・改修への移行
アスベストが除去・適切に処理されたことを確認したのち、建物の改修・解体・再利用など次のステップに移ります。
安全確保された状態で、建物の用途変更や新たな施工ができるようになります。